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あまり頑張らずに生きてきてしまいました

人と話すことがないので、せめて世界への存在証明をさりげなく... 読書感想文。

一強ドイツに頼れぬ現実 2017.03.17日経

 日本時間の明日18日からドイツでトランプ氏の大統領就任後初のG20が開幕する。

 イギリスやフランスでの内政が四苦八苦している中、民主主義の先頭に立って世界を率いて行くのははドイツしかいないように思える。しかし、歴史的背景からドイツには先頭に立つことへの抵抗がある。

 世界が民主主義を求めているのであれば、ドイツをパートナーとして世界秩序を守り、民主主義リーダー不在の世界を結束させる発想が必要だ。

 

 

大いなる便器

 私は温泉宿いる。起床後 、風呂は10時までというので朝食後急いで向かった。今般の入浴は温泉に浸かることが目的であって、身体を綺麗にすることは二の次三の次である。シャワーをサッとあびて湯船に浸かった。少し臭いが気になるがここは温泉だ、其れ位望むところ、と愛しのマイタイムをエンジョイした。

 

 湯船に浸かると眼鏡が曇る。よって眼鏡を湯船につける。曇りのとれた眼鏡をかけながら湯船に視線が向くと、そこにはなぜか海藻が漂っている。海も近いし海藻くらい浮いてるよなあと夢見心地である。

 

 しかしふと気づいた。ここは屋内、しかも5階だ。海藻の侵入経路は?

 

 落ち着いた頭で海藻を眺めてみるとなんだか無性に縮れている。茎的な部分を成していると思われた部分は、そう陰毛だ。となると海苔的な部分を成しているのは紛れもなく陰毛に纏わり付いた何らかの物質だ。色は黄土色、形はなくふわふわしている。

 

嫌な予感がよぎる。

 

 ここに至って私は防衛機制の1つ、合理化の力を借りることとした。

 「温泉=硫黄・陰毛、硫黄=黄土色、陰毛=排水口」 

従ってこの海藻の正体は排水口に詰まった硫黄と陰毛の見事なコンビネーションなのである。このコンビネーションを考えることによってそこには至って平凡なる温泉空間が誕生する。そうして私は洗うつもりのなかった身体を洗いに行った。

 

 洗いながら自ら成した合理化の信を問うた。そして遂には自らを賞賛し、自らを固く信じて疑い得なくなっている自分の存在に気づいた。なぜなら、先刻瞬時に私の頭を過ぎってしまった最悪の場合の想定(うんち)はあまりに形而上学的な世界の話ではないか。これは人体(肛門)と環境(公衆浴場)という実際的な立場から大きな制約を受けてしまうが故、人類には決して具現化し得ないイデア的世界の話なのである。そうして私は微笑み、仕上げに湯船へ向かった。

 

 但し、さっき見たあれは少なくとも陰毛ではあるのであんまり近づきたくない。よってそれが最も近づき難いスポットであろう新鮮そうな湯の出口に向かった。これが私の犯した本日最大の過ちであると今は認めざるを得ない。ご存知であろうか、湯の出口は一見新鮮そうに見えて実は必然的に底に滞留する部分を生み出すという二律背反の非論理的空間なのである。そしてその滞留スポットには、大いなる便が鎮座する。

 

 不動。思わず、見惚れた。

 

ゆく温泉の流れは絶えずとも、久しく留まるものは確かに存在する。涅槃、この世にそれを私は目撃した。

 

 こうして今日、湯船が便器を兼ね便器が湯船を兼ねるという鮮烈な世界への存在を強いられた私は、世界はあくまで私の表象に過ぎないというこれまでの愚かなる私の人生哲学の核心を捨てざるを得なくなった。そうこの世界の中心は私ではないのだ。

 

私は涅槃へと崩れ落ちた。